「雑用パート」が会社を変えた!メガネスーパーで経営を動かした逆転の現場戦略とは?

原点とこれから

現場で拾った声から提案を量産し、社長に「発想力トップ」と評された理由とは。

ある日、特に意識せずに入った企業が、まさかの「メガネスーパー」だった。
それに気づいたのは入社後。でも、自分には最初から一つの決意があった。

「海外番組『覆面リサーチ・ボス潜入』のような視点で企業を見てみよう。」

一番下から見えるもの

これまで、製造業、金融、テレホンサポートなど、様々な業界を渡り歩いてきた。
そして、どの職場でも、一番下のポジションから実績を残してきた。

最初の製造業では1年目から幹部候補として注目され、
金型企業でも同様に評価された。
三菱UFJ銀行ではシステム部の上司から契約延長の打診、
苦手だったテレホンサポートでは、退職時に派遣先の上司が餞別を用意してくれた。

なぜ、そこまでしてくれるのか? その理由が自分でもわからなかった。

自分を見つめるため、雑用を選んだ

そこで、自分を客観的に分析するために、
ヴィジョナリーホールディングス(メガネスーパー運営)にあえて「雑用パート」で応募した。

配属は人事部。仕事内容はトイレのごみ回収、会議室の清掃、
コロナ禍での消毒・案内・備品補充など、一見地味な業務ばかりだった。

でも、だからこそ見えることがあった。

情報が集まる“雑用”という特権ポジション
人から警戒されず、自然に困りごとが聞ける。
倉庫やバックヤードにも自由に出入りできる。
そこで得た情報を組み合わせれば、無限とも言えるアイディアが浮かぶようになった。

小規模店舗での簡単補充方法の改善

メガネ専門店にコンタクトレンズを導入 → 売上向上

即席エリアマネージャー育成プログラム

新人研修の改革 → 史上最長の新人定着記録を達成

沖縄エリア向けに米軍基地での販売提案(本社検討まで進む)

そしてある日、廃棄予定だったリモート検査装置に目をつけた。
「これを店舗に持ち込み、リモートで検査すれば、接触リスクを減らしながら来店も促せるのでは?」
そうして提案書を提出。即採用され、プロジェクト化された。

自分の思いが周囲を動かした

それを皮切りに、月20本以上の提案を提出。
週1回の会議では、必ず何かが取り上げられるようになった。

提案が通るたびに社内の空気が少しずつ変わった。
ある時点から、緊急案件が自分の耳元で話されるようになり、
その内容を30分で整理・文書化し、3分後には別部署で会議が始まるほどだった。

やがて、上長に送った提案書は自動で全役職者に配信される仕組みにまでなった。

そんな中、週に2回、必ず仕事を頼んでくれる社員の方がいた。
その方に、自分はいつもこう言っていた。

「うちが業界4位なら、一位になりましょう。うちは絶対なれます。」

これはただの励ましではなかった。
雑用の立場であっても、会社の力を本気で信じていた。

それでも裏方に徹した理由

目立ちすぎれば、反感を買う。
実際、一時期、情報が遮断されたこともあった。
けれど、それでも提案を出し続けた。

すると、今度は手のひらを返したように情報が集まるようになった。

人事役員が皆の前で自分を紹介しようとしたこともあったが、
自分は仕事中を装ってその場を避けた。
表に出ることで、周囲の役職者たちの反感を招くことを恐れたからだ。

「一番下」から企業を変える

それでも、最終的に社長からはこう評価された。

「2000万円のコンサルタント費は無駄だったが、彼が帳消しにした」
「わが社でも1~2を争う発想力の持ち主」

カンブリア宮殿にも出演した社長の口から出たこの言葉は、まさに自分の人生の勲章だった。
“日本一の雑用”と呼ばれるような瞬間だった。

なぜ、自分は「特別扱い」されるのか?

ようやく、その答えが見えてきた気がする。

・他者のために本気で働く心

・ズバ抜けた発想力

・壁を突破する粘り強さ

・集中状態に入ったときの爆発的なパフォーマンス

これが、自分という人間の「素材」なのかもしれない。

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